「いきいき、ベビーリーフ。」
天然の地下水が育んだやわらかな新芽。
熊本県 上益城郡 山都町 ベビーリーフ農家
林さん
すくすく育った葉野菜の赤ちゃん
真夏の熊本は、連日35度を超える猛暑続きですが、ここ山都町(旧清和村)には、さわやかな風が吹きわたっています。
水と土壌に恵まれた、高原の野菜づくりを取材しました。
そよそよと頬をなでる風に吹かれ、やわらかな緑をふるわせているベビーリーフ。今では、スーパーマーケットでパック詰めの葉野菜として目にすることも多くなりましたが、実は、「ベビーリーフ」という種類の野菜は、存在しないこと、ご存知でしたか?年間を通じて10種類ほどのベビーリーフを育てている生産者・林さんに伺うと「ベビーリーフは、いわば野菜の赤ちゃん。新芽のうちに摘み取ってしまう、普段目にする野菜とはちょっと見た目が違いますもんね」と教えてくださいました。「そこの畑は小松菜、そっちはホウレン草です。食べてみらんですか」と促され、摘んだばかりの葉をモグモグ…確かに、小さな葉がそれぞれしっかりと個性を主張しています。
おいしさの秘訣は清冽な地下水の恵み
葉野菜の水分含有率は、なんと80%~90%!だからこそ、おいしい水は、おいしい野菜に欠かせない重要な要素。林さんも、天然の地下水を野菜づくりに活かしています。
「人間が飲んでも大丈夫なくらい、きれいな水です。カルキも入っとらんけん、口当たりが良かですよ」と自信に満ちた笑顔。口にふくむと、かすかな甘みと旨みが広がります。こな水と、ミネラル豊富な土壌が極上のベビーリーフを育んでいるのです。
知恵と工夫で守る有機無農薬への挑戦
林農園のベビーリーフは、有機無農薬。清和地区の農家が立ち上げた「ミネラル会」にも所属し、農薬や化学肥料に頼らない野菜つくりを研究してきました。害虫の嫌う植物で野菜を守ること、ミネラルたっぷりの堆肥を使うこと…薬剤を使った農業と比べると、ずいぶん手間のかかる仕事ですが「口に入るものは、できるだけ安全に」というモットーを掲げ、野菜を慈しみながら育てているのです。
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多彩な味わいと栄養価
パリッとクリスピーで、独特のほろ苦さが楽しいルッコラ、
しなやかでクセのないホウレン草、透き通るような赤色と酸味が特徴のビーツ…どれも本当に美味!ぜひ食べ比べてみてくださいね。新芽ならではの栄養価の高さも魅力です。 -
収穫担当は熟練のスタッフ
「農薬を一切使わないので、完全に虫食いを防ぐことはできません」と林さん。そのため、収穫には、高度な選別技術が必要なのだとか。目にもとまらぬスピードで収穫作業を進めていく熟練のスタッフのみなさん、さすがです。
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渓流の冷た~い湧水
清和地区は、渓流に囲まれた湧水の里。ただし、土地が高く水を引くことが困難なため、地下水をくみ上げるという手法をとっています。貯水池の水は、驚くほど透明度が高く清らか。ゴクゴク飲み干したくなるほど、おいしい水なんです。
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サラダに天ぷらに。
肉料理や魚料理の付け合せ、サラダのイメージが強いベビーリーフですが、林さんに伺うと「大葉のようにサッと衣をつけて、天ぷらにすると絶品ですよ」とのこと。味噌汁の具にしたり、一夜漬けにしたりとアレンジは無限大!
生産者からのメッセージ
ベビーリーフは、種蒔きから収穫までのサイクルが短く栽培が難しい野菜です。
病気や虫から人の手で守り天候を見極めながら品質を高め大切に大切に育てています。
熊本のおいしい水を感じながら味わってみてくださいね。